ビックデータを活用したIoT技術やAI解析の進展にともない、莫大なデータ群を基にした人々の行動分析で顧客ニーズや社会課題の抽出を行う分析型調査が主流化しています。そうした中で、「組織活動や社会活動の抱えている “本当の問題” の所在」について、調査者自身が “腑に落ちる実感(アクチュアリティ)”をもって掴むことがますます難しい時代に突入してきています。
活動における“本当の問題”の探求は、客観性を志向する“論理的な真理”の追求や“実証的な裏付けのある情報”の抽出とは根底から異なります。例えば、渋谷区で歩きスマホをする若者の数をビックデータを活用した統計をもとに測ることができたとしても、その若者たちの「歩きスマホをするとはどういうことか?」に関する本音の思いや実感を知り、その活動に関する「そういうことだったのか!」という腑に落ちる思いを拾い上げることは難しいです。
むしろ、“本当の問題”とは、その組織や共同体に属する当事者の“あいだ”で共創されてきた活動や文化に介入し、深く省察するプロセスを経ることで浮かび上がってくるものです。すなわちクライアント調査者自身がその活動や組織のコモンセンスを調査対象と共に自覚することで、初めて「“本当の問題”ってそこだったのか!」と腑に落ちて掴むことができます。
弊社コンサルタントは、クライアント組織が抱える問題や社会課題における“本当の問題”を探求して、そのクライアントが問題に即したアクションに踏み出すための土壌を作る調査支援を実施します。
事業活動や社会活動に関わる当事者の本音の思いや実感を引き出して、その思いや実感の落としどころを方法論的に探究することで、その活動の底流にある当事者間のコモンセンスを再構築します。そのコモンセンスを踏まえて、現在進行中の活動を持続的にマネージする際の“本当の問題”を抽出して、文化的に実行可能な活動の方向性をレポーティングします。