現代の組織活動において、組織の経営戦略とそれに適用した構造改革や業務システム改革などハードな改革がますます進行していく中で、ソフト面の組織の態勢がハードな改革とかみ合わずに、「組織として自分たちがどうしていきたいのか?」について姿勢が腑に落ちないままハードなマネジメントを遂行していくことが往々にしてあります。
組織マネジメントには、状況の問題点を客観的に洗い出して解決するハードなものと、その状況に関わる人々の思いや実感を直接扱い人々が自らアクションを変革していくソフトなものとが重層的に絡み合って進んでいきます。ソフト面に関しては、組織の個々人が属人的に持つソフトスキル(一般的なコミュニケーション能力やリーダーシップ)というレベルを越えた、ハードな改革やマネジメントを推進する組織全体のソフトなマネジメント力こそがその組織の機動性を創り出していると言えます。ハードな改革を「形だけの改革」にせず、文化的な実行性を伴いながら着実に実現させ、改革後に仕組みやシステムを使いこなし組織的改善を継続していくためには、その組織のソフトなマネジメント力が醸成されている必要があります。
SSMベースのアクションリサーチを用いた弊社のコンサルティングでは、「(ハードな)システムを使うコト」についての組織としてのアコモデーションを深めていくことを通じて、組織のソフトなマネジメントの姿勢を共創していきます。その中で組織の問題状況を探求しながら現状改革を行うとともに、その組織全体のソフトなマネジメントの組織能力を開発していきます。
近年、経営的な重点課題をハードなマネジメント手法でのみ実現させようとするアプローチが主流となっています。しかしその実現プロセスには、関わる人々の姿勢や組織力などのソフト面が深く関わり、重点課題であればこそそうしたソフト面をマネージするソフトなマネジメントが必要になります。課題実現のプロセスに、組織のソフトなマネジメント力を養成するマネジメントを取り入れることで、そのプロセスに関わる人々が本当に課題を実現できたと実感できます。組織マネジメントレベルで、ハードとソフトの両面のバランスを取るマネジメントを実践することが、組織全体の底力を醸成することになります。
クライアント組織の抱える組織マネジメント上の問題状況に介入し、その状況に関する現場の"本当の問題”をクライアントと共に探求します。そして、”本当の問題”を共有しながらその問題に関連する姿勢を組織全体で形成するプロセスをマネージして、経営と現場とが納得感を伴った方向性を共有しながらそれぞれ自発的アクションを踏み出す場を創出することで現状改革を推進します。
このコンサルティングを通じて、コンサルティングに関わる人々の間での一体感の醸成、組織的な当事者としての内的動機の喚起、自発的なアクションの創出を導きます。
また、この組織学習の方法論を組織的クライアント組織の実情に即して開発することで、組織のソフトなマネジメント力の要件である「本音ベースで話し合う対話力」、「部門縦横断的な連携力」、「様々な不測に対応できる機動力」という3つの組織能力を組織全体で底上げするマネジメントプロセスを導入し、その組織的運用と定着までを支援します。